建設コンサル野郎の愚痴ブロ

このブログは、地方の弱小建設コンサルタント会社で上水道の設計に勤しむ男がダラダラ愚痴を書くブログです。

子供の頃のイタズラを32歳のコンサルが考察する話

どうもー

今日も世界で最も読まれていないであろうブログを綴っていこうと思います。(寂しい)

 

さて、俺は今でこそ建設コンサルという業界で上下水道の設計を生業としているわけですが、今思えば、あぁ俺って子供の頃から水道のコンサルだったのかもな笑。

という話をします。まぁまぁちょっと大げさな表現なのはお許しくださいね。

 

 

あれは俺が小学4年生の頃だったでしょうか。

暖かな陽光が照る5月上旬、日曜日の出来事と記憶しております。

俺は、いつもお定まりの友人4人と共に学校へ遊びに行ったのです。

いや、遊びにというのは語弊があるのかもしれません。

俺たちは有り余るエネルギーを勉学や運動に費やすわけでもなく、ただ何かいけないことをしたいという欲望に向けておりました。

だから休みの日に学校に行ったのです。

今思えば意味不明ですが、当時の俺たちにとっては休校日に学校に行くということが、何だかいけないことである気がしたのです。そしてあわよくば、5人の内の誰がイタズラでもし先生に怒鳴られるなどすれば、それはそれは楽しい一日のワンシーンになるだろう。各人、内々に思っていたのです。

言っても子供のやることです。今思えば可愛いものですがね。

 

さて、学校に着き、中庭に自転車を並べた俺たちは、真っ先に職員室にいる先生の偵察を行いました。

「坂本いないよな?」

「よしよし、いない・・」

「松井もいない。よし」

 

念のため、普段から恐れていた坂本と松井という二人の教師がいないことを確認した後、俺たちは運動場へ。

そして高橋君はグラウンドに穴を空け、

「うへっ、うへへ。」

磯部君は歩廊に並んでいる花瓶に砂を入れ

「うひょっ、ぐふっ」

馬鹿なクソガキどもの下卑た笑いが起きる中、野村君の声が響きました。

「ねぇみてこれ、回るよ」

声のする方を振り向くと水飲み場でニタニタ笑う野村君がいました。

ほら、小学校の運動場って蛇口が6つ程付いた水飲み場?があるじゃないすか。

こういうやつ。

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イメージ写真

 

野村君は水飲み場に付いている6つの蛇口の内、一つを掴んで、

「ほら、これ回る」

クルクル・・

「あ、ほんとだ。」

クルクル・・

「なぁ、これって回し続けたらどうなる?」

クルクル・・

「そりゃ・・」

クル・・

次の瞬間。

ドゥバァァーーーーーーッ!!!

蛇口が外れ、ものすごい勢いで水が噴き出してきました。

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やばいっ。俺たちはとっさに、

あ、これはいつものイタズラのレベルを超えている!怒られる!

そう感じました。

「戻せ戻せっ!はやく!」

茫然と立ち竦んでいた野村君はその声を聞いて我に返り

「お、おう!」

蛇口を戻そうとしました。蛇口を必至に押し当てる野村君。

でも水の勢いが強すぎて戻せないのです。もちろん野村君はずぶ濡れです。

 

どうしよう。どうしよう。焦りで半ばパニック状態の俺たち。

必死に蛇口を押し当てる野村君。

応援する俺とその他3人。

しかし、一向に蛇口が嵌る気配がない。

その時、ピカーン 俺にある考えが浮かびました。

「みんな、いい考えがある。」

俺はすぐさま、水飲み場ダッシュし、閉まっている蛇口のハンドルを回し始めました。全開に開けたら次の蛇口、全開に開けたら次の蛇口へと。すると、徐々に噴き出す水の勢いは収まっていき、全ての蛇口を開けきった頃には随分と水の勢いは衰えてたのです。

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「よし、これでどうだ。」

「おう!なるほど!」

「嵌れーー!!!」

キターーー!

蛇口は元に戻り、開いている残りの蛇口を閉めた野村君は

こちらを振り返り一言。

「ふぅ、ミッション完了・・」(まぁこれは言ってないけど)

無事、ことなきを得た俺たちは、逃げるように学校を後にしました。

 

とまぁこんな話なんですけど。

これさ、今思えば別に大した閃きでもないんですよね。

だって蛇口を全部開けば水の勢いが収まるって、誰だって想像付きますよね。これくらいで子供の頃からコンサルとか言われても。って感じですよね。

でもね、これって専門的知識をもって問題解決を図るというコンサルの責務を結果的には全うしているんですよ。

(まぁ問題を起こしたのは自分らだし。全く公共の福祉に寄与してないし。そこはスルーしてくれ笑)

 

ちょっと今の知識でこの状況を振り返りたいと思います。

この状況になったときみなさんならどうしますか?

まず、このように考えた人もいると思います。

「元栓閉めればいいやん。」

そうですよね、当時の俺たちにはこの考えは浮かばなかったです。

でもね。今考えてもこの対応は得策ではないと思います。

まず元栓というのは

1.給水メーターの止水栓

2.水飲み場の止水栓

どちらのことを言っているのかによりますが、それぞれ検討してみましょう。

○給水メーターの止水栓を閉める場合

これはデメリットが2点考えられます。

デメリット(その1)

そもそも給水メーターの位置が分からない。

 

小学校の給水メーターの位置なんて普通知らないですよね。広い校内で給水メーターを探し回っている間に先生に見つかってしまう可能性が高いです。

デメリット(その2)

メーターで止めてしまったら校内全体の水が止まってしまう。

 

万が一、先生が「あれ水が出ないな・・」なんつって業者でも呼ばれた日には事態が悪化してしまいます。尚、小学校は受水槽があるからすぐには断水しない。という反論に関しては、職員室は1Fなので直圧の可能性がある。という回答になります。

 

水飲み場の止水栓を閉める場合

こちらについてもデメリットが2点あります。

デメリット(その1)

止水栓の蓋は子供が簡単に開けれれるものない。

 

止水栓とは校内の給水管から水飲み場へ分岐する管に付いている弁ですが、屋外の水飲み場の場合は通常埋設止水栓が使われています。埋設止水栓は止水栓きょという筒の中に収められており、その蓋は引っ掻き棒のようなものとこじ開けないと開かないです。

デメリット(その2)

止水栓が砂に埋もれている可能性が高い。

 

さらに言えば、今回のケースでは、止水栓は恐らく運動場近傍に設置されています。よって高確率で止水栓は砂で埋もれており、スピンドルが容易に回せる状態ではなかったと思われます。

 

以上の考えから、元栓を閉めるという考えはあまり得策ではなかったと判断しています。

 

 次に、残りの蛇口を全部空ければ、噴き出す水の勢いは収まるよね。

という話を考えてみましょう。先ほども書きましたが、これはみんな経験的に知ってますよね。

お皿洗いをしている時に、

「ちょっとー今お風呂入ってるから水使わないでよ、弱くなるじゃん!」

みたいなこと言われた経験ないですか?(最近の家はないか笑)

まぁなんとなくそうなるのは分かるわけです。

当時の俺では、なぜそうなるのか説明出来なかったのですが、今は水道のコンサルとして論理的に説明ができます。

これはアレです。

ホースの先を摘まむと水の勢いが強くなる。

基本的にこの現象と同じですね。

例えば内径50mmの管と内径10mmの管があったとします。

仮に管内に同じ流量が流れているとすると、水の流速は50mmの管より10mmの管の方が早くなります。なぜなら流速=流量/断面積ですから。(厳密には管の損失が絡んできます)

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ホースの例で説明すると、ホースの先っちょを摘まむと出口の断面積が少なくなるので、瞬間的に流速が増すんですね。だから水の勢いが強くなるわけです。

では今回の水飲み場の例で説明すると、水飲み場に付いている蛇口の内、1つだけを開けるとします。(6つの蛇口の内1つだけから水が出ている状態)

この状態がホースの先っちょを摘まんだ状態と言えるわけです。そして残りの5つの蛇口を解放することで水の流れる断面積が増え流速が低下する(水の勢いが衰える)というわけです。

当時の知識では説明することできませんでしたが、

複数の蛇口を同時に開けば水の勢いは収まる。

ということは知っていたわけです。

これって十分専門知識だと思いませんか。

説明できなくても知っていればそれは専門知識です。

 

数学だって公式の導出ができなくても、それを使って答えが出せれば正解でしょ?

そんなんもんっすよ。

ということで冒頭に述べた、あぁ俺って子供の頃から水道のコンサルだったんだな、という話に無理やり繋げてみました。

 

まぁ、今考えれば、先生にばれて大目玉食らっておいても良かったかなとも思いますけどね。クソガキどもは反省が必要です。

そんな俺も今は1歳になる一人娘がおります。これからどんなイタズラをしてくれるのか。楽しみでもあり、怖くもありですわ。

 

以上失礼しました。